【2026年版】Proxmoxは中古PCで動く|VMware値上げの受け皿になった無料の仮想化基盤と、必要なスペック

【2026年版】Proxmoxは中古PCで動く|VMware値上げの受け皿になった無料の仮想化基盤と、必要なスペック

自宅サーバー

VMwareが高くなった分、Proxmoxに人が流れている。

Broadcomの買収以降、VMwareの価格は200〜1,200%上がりました。行き先として名前が挙がるのが Proxmox VE です。無料で、機能に制限がなく、10年前の中古パソコンでも動きます。この記事は、Proxmoxを動かすために本当に要るものと、中古でそろえるならいくらかを、実際の相場で確かめたものです。

その1台でProxmoxは動くか

手元のパソコン、あるいは買おうとしている中古PCの構成を入れると、動くかどうかと、同時に立てられる仮想マシンの数、1年ぶんの電気代の目安が出ます。

GB

結論

Proxmoxに要るのは「仮想化支援が有効なCPU」と「メモリ」だけ。CPUの速さはほとんど効かない。

公式の最小要件は64bit CPU(Intel VT-x または AMD-V 対応)・メモリ1GB・ディスク1台・NIC1枚。推奨でもOS用に2GBで、あとは動かす仮想マシンのぶんだけ。つまり足りなくなるのはメモリで、CPUではありません。中古なら Core i5-9500T が¥7,600、DDR4-2666 8GBが¥4,000(2026年9月21日・パソツク調べ)。メモリ32GBを積んでも合計2万円台。同じ一台を VMware vSphere Foundation で動かすと、16コア下限のせいで年34万円からです。ソフトの値札が、ハードの値札を桁で上回っています。

2026年9月版
本記事について。Proxmox Server Solutions GmbH、Broadcom、インテルとの間に、アフィリエイト契約・広告出稿・紹介料などの利害関係は一切ありません。仕様・価格は2026年9月21日時点の各社公式サイトの記載に基づきます。
パーツの価格は、パソツクが毎日記録している中古相場(2026年9月21日時点・17日間の記録)です。販売価格の目安であり、在庫と相場は日々変わります。電気代の試算は31円/kWhで計算しています。実際の消費電力は構成と負荷で変わります。
Proxmox、VMware、vSphere、ESXi、Intel、Ryzen は各社の商標です。
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なぜいまProxmoxなのか

理由は値段です。BroadcomがVMwareを買収したあと、永続ライセンスが廃止され、サブスクリプションへの一本化と大幅な値上げが行われました。報じられている上げ幅は200〜1,200%。課金の単位もCPUソケット単位からコア単位に変わりました。

2026年時点の vSphere Foundation は1コアあたり$135(定価)。さらに1CPUあたり16コア以上の購入が必須で、実質的な最低額は$2,160から。2025年4月以降は72コアからの最低発注も加わりました。

VMware vSphere の製品ページ
VMware vSphere の製品ページ。 出典:vmware.com

一方のProxmox VEはオープンソースで、無料で使えます。KVM(完全仮想化)とLXC(コンテナ)の両方を1つのWeb管理画面で扱え、クラスタ、高可用性、バックアップ、ZFSとCephまで最初から入っています。機能制限版ではありません。

Proxmox Virtual Environment の製品概要ページ
Proxmox VE の製品概要。KVMとLXC、ZFSとCephが最初から入っている。 出典:proxmox.com

有料の購読もありますが、これは安定版リポジトリとサポートを買うもので、機能を解放するものではありません。

プラン 年額(1CPUソケットあたり) 内容
購読なし €0 全機能が使える。更新は no-subscription リポジトリから
COMMUNITY €120 Enterprise リポジトリ、フォーラム。チケットサポートなし
BASIC €370 年3チケット、営業日1日応答
STANDARD €550 年10チケット、4時間応答、24/7
PREMIUM €1,100 無制限チケット、2時間応答、24/7
Proxmox VE のサポート購読の価格表
Proxmox VE の購読プラン。1CPUソケットあたりの年額。 出典:proxmox.com

※ ProxmoxはCPUソケット単位、VMwareはコア単位。ここが効きます。8コア1ソケットのマシンなら、Proxmoxは1ソケットぶん、VMwareは(最低16コア換算で)16コアぶんの勘定になります。

個人で自宅に建てるなら、購読は要りません。購読なしでも全機能が使えます。画面に「有効な購読がありません」という案内は出ますが、動作に制限はかかりません。業務で使うなら購読を買ってください。更新の安定性とサポートの話であって、機能の話ではありません。
02

VMwareと比べて、いくら違うか

金額の話をします。両者はそもそも課金の単位が違います。ここを揃えないと比較になりません。

  VMware(2026年) Proxmox VE
課金の単位 CPUコアごと CPUソケットごと
買わないと使えないか 必要(無償版は制限あり・第7章) 不要。購読なしで全機能が使える
永続ライセンス 廃止。サブスクリプションのみ —(買い切りという概念がない)
1CPUあたりの最低コア数 16コア(実際が8コアでも16コアぶん払う) —
1注文あたりの最低コア数 72コア(2025年4月以降) —
小規模向けの入口 Essentials / Essentials Plus Kit は廃止 もともと無料
効いてくるのは「72コア最低発注」です。1CPUあたり16コアの下限に加えて、2025年4月から1回の注文で72コア以上という条件が付きました。8コアのサーバーを1台だけ動かしたい人が、72コアぶんのライセンスを買うことになります。小規模向けの入口だった Essentials Kit も廃止されました。高くなったというより、小さく買えなくなりました。

実際の金額を並べます。vSphere Foundation(VVF)が1コアあたり$135、Cloud Foundation(VCF)が1コアあたり$350(いずれも2026年の定価)。Proxmoxは購読なしなら0円で、サポートが要る場合だけ1ソケットあたり€120〜€1,100です。

同じ一台を、VMwareで動かすといくらか

サーバーの構成と使う年数を入れると、VMwareのライセンス代とProxmoxの費用を並べて出します。VMwareは「1CPUあたり16コア以上」という下限があるため、実際のコア数が少なくても16コアぶん請求されます。

コア

構成 VMware VVF
($135/コア)
Proxmox
購読なし
Proxmox
Standard
年あたりの差
1ソケット・8コア
中古デスクトップ1台
¥341,042
16コア下限で計算
¥0 ¥99,517 ¥341,042
1ソケット・16コア ¥341,042 ¥0 ¥99,517 ¥341,042
2ソケット・各16コア
32コア
¥682,085 ¥0 ¥199,034 ¥682,085
最初の注文の最低額
72コア最低発注
¥1,534,691 ¥0 ¥99,517〜 ¥1,534,691

※ 1ドル=157.89円、1ユーロ=180.94円で計算(2026年9月18日のレート)。VMwareは定価ベースで、実際は値引き後の価格になります。Proxmox Standard は1ソケットあたり€550。為替と値引きで金額は動きますが、桁は変わりません。

3年・5年でいくら差がつくか

サーバーは3〜5年使います。累計にすると差がはっきりします。

2ソケット・32コアの1台 1年 3年 5年
VMware VVF ¥682,085 ¥2,046,254 ¥3,410,424
Proxmox(購読なし) ¥0 ¥0 ¥0
Proxmox(Standard購読) ¥199,034 ¥597,102 ¥995,170
ここで中古PCの話に戻ります。VMwareのライセンス1年ぶん(¥682,085)があれば、この記事で組んだ中古のProxmox機が20台以上買えます(CPU¥7,600+メモリ32GB¥16,000+本体で1台3万円として)。5年ぶんなら100台を超えます。ソフトの値札が、ハードの値札を桁で上回っているのがいまの状況です。

ただし、乗り換えはタダではありません

金額だけ見れば一方的ですが、移行には手間がかかります。ここは正直に書いておきます。

  • 仮想ディスクの変換が要る。VMwareのVMDKを、Proxmoxが使うqcow2やrawに変換します(qemu-img convert)。台数が多いと時間がかかります
  • 運用の作法が変わる。vCenterの画面に慣れた人がProxmoxに移ると、最初は戸惑います。教育の時間を見込んでください
  • サポートの後ろ盾が変わる。購読なしならフォーラムが頼りです。止まると困る業務なら、素直にBasic以上を買ったほうがいい
  • 周辺ソフトの対応。バックアップや監視のツールがVMware前提だと、置き換えが要ります

だからこそ「自宅で先に触っておく」意味があります。中古PC1台で本番と同じものが動くので、移行できるかどうかの判断も、操作の練習も、数万円で済みます。本番で初めて触るのが、いちばん高くつきます。

03

公式の要件は、驚くほど低い

Proxmox VE の公式要件はこうです。

  最小(お試し用) 推奨(本番用)
CPU 64bit(Intel 64 / AMD64)
x86ではIntel VT / AMD-V が必須
Intel 64 / AMD64 で
Intel VT または AMD-V フラグあり
メモリ 最小1GB OSとサービス用に最低2GB
+動かすゲストのぶん
ZFSやCephはストレージ1TBあたり約1GB追加
ストレージ ハードディスク1台 OS用:BBU付きハードウェアRAID、またはZFS+SSDキャッシュ
VM用:BBU付きハードウェアRAID、またはZFS
ネットワーク NIC 1枚 冗長化したギガビットNIC。10Gbit以上にも対応
PCIeパススルー — VT-d または AMD-Vi 対応のCPUとマザーボード
Proxmox VE のハードウェア要件のページ
Proxmox VE のハードウェア要件。CPUの速さに関する指定がない。 出典:proxmox.com

要件のページを見る →

注目すべきはCPUの速さに関する要求がどこにも書かれていないことです。書かれているのは「64bitであること」と「仮想化支援があること」だけ。世代も、コア数も、クロックも指定がありません。

メモリは違います。OSに2GB、あとは動かす仮想マシンのぶんが素直に積み上がります。仮想マシンに4GBずつ割り当てるなら、6台で24GB+OSの2GBで26GB。先に足りなくなるのは必ずメモリです。

04

つまずくのは1点だけ:仮想化支援

中古PCでProxmoxを動かすとき、唯一の関門が仮想化支援(Intel VT-x / AMD-V)です。ここだけは、無いと話が始まりません。

とはいえCore i シリーズにはかなり前から入っています。実務上、問題になるのは次のようなケースです。

  • BIOS/UEFIで無効になっている。これがいちばん多い。中古PCは工場出荷設定のまま来ることがあり、機種によっては既定で無効です。設定を見れば有効にできます。「Intel Virtualization Technology」「SVM Mode」といった項目です。
  • PCIeパススルーをしたい場合は VT-d / AMD-Vi も要る。グラフィックボードやUSBコントローラを仮想マシンに直接渡す使い方です。VT-x はあっても VT-d は無い、という型番があります。
  • Pentium・Celeron の一部に無い世代がある。Core i でも、ごく初期や特殊なSKUには例外があります。

確実なのは型番で公式の仕様表を引くことです。インテルなら製品仕様情報(ARK)で型番を検索し、「インテル® バーチャライゼーション・テクノロジー (VT-x)」と「VT-d」の欄を見ます。

インテル製品仕様情報(ARK)のトップページ
インテル製品仕様情報(ARK)。型番でVT-x・VT-dの対応を確かめられる。 出典:ark.intel.com

ARKで型番を調べる →

買う前に型番を確認してください。「第8世代のi5」まで分かっていても、i5-8400 と i5-8400T では消費電力がまるで違いますし、パススルーの可否も型番ごとです。中古を買うときは、出品に書かれた型番をそのままARKに入れて確かめるのがいちばん早い。
05

中古でそろえるといくらか

ここからは実際の相場です。パソツクが毎日記録している中古パーツ相場(2026年9月21日時点)から、Proxmox向きの構成を組んでみます。

CPU 中古価格の目安 在庫 Proxmox視点でのひとこと
Core i5-9500T ¥7,600 5 本命。T付きは低消費電力版。24時間動かす前提ならここ
Core i5-9500 ¥7,600 10 6コア。同じ値段でT無し。常時稼働でないならこちら
Ryzen 5 3500 ¥8,600 16 6コア。AMD-V対応。在庫が厚い
Core i5-8400 ¥4,000 1 6コアでこの値段。第8世代の底値
Core i5-7500 ¥2,900 4 4コア。お試しならこれで十分
Core i5-7400 ¥2,900 7 同上。とにかく安く始めたいとき
Core i5-6400 ¥2,000 2 第6世代。動くが、そろそろ世代が古い
メモリ 中古価格の目安 在庫 ひとこと
DDR4-2666 8GB ¥4,000 520 ここが要点。8GB×4枚で32GBでも¥16,000
DDR4-2400 8GB ¥4,000 59 同上
DDR4-2133 8GB ¥4,000 50 同上
DDR3-1600 4GB ¥500 2 第4世代以前ならこれ。安いが拡張の頭打ちが早い

※ 2026年9月21日時点のパソツクの中古相場(販売価格の目安・税込)。在庫と価格は日々変わります。メモリはマザーボードのスロット数と最大容量に縛られるので、先に本体側を確認してください。

DDR4の8GBが¥4,000で在庫520枚。これがこの記事でいちばん言いたいことです。Proxmoxで足りなくなるのはメモリで、そのメモリがこの値段で手に入ります。32GB積んで¥16,000。VMwareなら1コアあたり$135・最低16コアで$2,160かかるところが、そもそもライセンス費ゼロで、ハードごと2万円台に収まります。
06

24時間動かすなら電気代を先に計算する

自宅サーバーで効いてくるのは本体価格より電気代です。1年365日つけっぱなしにするので、アイドル時の消費電力がそのまま年額になります。

アイドル時の消費電力 1日 1か月 1年
10W(ミニPC級) 約7円 約223円 約2,716円
20W 約15円 約446円 約5,431円
35W(T付きCPUのデスクトップ) 約26円 約781円 約9,505円
60W(普通のデスクトップ) 約45円 約1,339円 約16,294円
100W(古い大きめの機体) 約74円 約2,232円 約27,156円

※ 31円/kWh で計算(1年=8,760時間)。アイドル時の値であり、負荷がかかれば上がります。

ここで判断が割れます。本体が¥2,900で買えても、100Wで回し続ければ1年で¥27,156かかります。逆に低消費電力の構成なら、本体が高くても1〜2年で逆転します。

  • さわって覚えるだけなら、安い本体で十分。使うときだけ電源を入れるなら電気代は問題になりません。i5-7400(¥2,900)で始めて構いません。
  • 24時間動かすなら、T付きCPUか省電力構成を選ぶ。i5-9500T(¥7,600)のような低TDP版か、ミニPC。初期費用の差は1年で回収できます。
  • 古い大きな機体をもらってきて常時稼働、はいちばん損をする。タダでもらっても電気代で毎年2万円以上払うことになります。
07

無料のESXiが戻ってきた。ただし

「VMwareの無料版が復活したらしい」という話を聞いたかもしれません。事実です。2024年初めにいったん廃止された無償のESXiは、ESXi 8.0 Update 3e で戻ってきました。

ただし制限があります。

  • vCenter Server に接続できない。複数台をまとめて管理する仕組みが使えません
  • 書き込みAPIが使えない。つまり自動化ができません。Terraform や Ansible から触れない
  • 1ホストあたり物理CPU 2基まで、1VMあたり8 vCPUまで
  • Broadcomのサポートは一切なし
「無料で使えるかどうか」より「自動化できるかどうか」で差が出ます。自宅サーバーを建てる人の多くは、最終的にコードで環境を作り直せるようにしたい。無償ESXiは書き込みAPIが無いので、そこで行き止まりになります。Proxmoxは購読なしでもAPIが全部使えます。学習目的なら、この一点だけでProxmoxを選ぶ理由になります。
Proxmox の公式サイトのトップページ
Proxmox の公式サイト。 出典:proxmox.com

Proxmox 公式サイト →

08

買う前に確かめる5つ

中古PCをProxmox用に買うなら、この5点を型番で確認してください。

  • CPUがVT-x(またはAMD-V)に対応しているか。型番をインテルARKかAMDの製品ページで引く。これが無いと動きません
  • PCIeパススルーを使うなら、VT-d(AMD-Vi)もあるか。グラボやUSBを仮想マシンに直接渡したい場合だけ必要です
  • メモリのスロット数と最大容量。2スロットしかない機体に32GBを積むには16GB×2が要ります。8GB×4なら4スロットの機体を選ぶ
  • アイドル時の消費電力。24時間動かすなら、ここが年額の大半を決めます
  • ストレージを2台載せられるか。OS用とVM用を分けると運用が楽になります。公式もOS用とVM用を分ける構成を推奨しています

導入そのものは難しくありません。公式サイトからISOを落として、USBメモリに書いて、起動してインストールするだけです。あとはブラウザから https://<IPアドレス>:8006 を開けば管理画面が出ます。

Proxmox VE のインストール手順のページ
Proxmox VE のインストール手順。ISOを焼いて起動するだけ。 出典:proxmox.com

インストール手順を見る →

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まとめ

Proxmoxが伸びているのは、機能が優れているからというよりVMwareが高くなりすぎたからです。そして受け皿としてのProxmoxは、驚くほど低いハードウェア要件で動きます。

  • 要るのはVT-x対応のCPUとメモリだけ。CPUの速さは公式要件に書かれてすらいません
  • 足りなくなるのはメモリ。OS2GB+ゲストのぶんが素直に積み上がります
  • 中古ならDDR4 8GBが¥4,000。32GB積んでも¥16,000で、CPUを足しても2万円台
  • 24時間動かすなら電気代を先に計算する。100Wで回すと年2万7千円。本体価格より効きます
  • 無償ESXiは書き込みAPIが無い。自動化を覚えたいならProxmox一択です

古いパソコンが1台余っているなら、まずBIOSで仮想化支援を有効にして、ISOを焼いてみてください。要件はそれだけです。合わなければ消せばいい。

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