VRAM(ビデオメモリ)とは?普通のメモリとの違いや役割を解説|ゲーミングPC・BTO専門店パソツク
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PCパーツの基礎知識
VRAMとは、
GPU専用のメモリのことです。
VRAM(ビデオメモリ)は、グラフィックボードに搭載されている映像専用のメモリです。パソコンのメモリ(RAM)とは別の部品で、メモリはCPUが使い、VRAMはGPUが使います。
ゲーミングPCの仕様表にある「VRAM 8GB」「VRAM 16GB」はこの容量です。メモリが16GB載っていても、VRAMが足りなければ映像の処理は詰まります。この記事では、VRAMが何をしていて、足りないと何が起きるのかを数字で解説します。
VRAMはメインメモリより3〜5倍速く読み書きできます。足りなくなるとデータがメインメモリ側にはみ出し、GPUはそれを11分の1の速さの経路から取りに行くことになります。これが引っかかりの正体です。
ただし容量が大きいほど高性能というわけではありません。容量と速度は別の指標です。そしてVRAMは後から増やせないため、購入する時点で決めておく必要があります。
VRAMとは?
1.VRAMはGPUが使う専用メモリ
VRAM(Video RAM/ビデオメモリ)は、グラフィックボードに搭載されている専用のメモリです。GPUが映像を描くとき、必要なデータを一時的に置いておく場所にあたります。ゲームを起動すると、キャラクターや背景のデータがストレージからVRAMへ読み込まれます。
VRAMに置かれるのは、主に次の4つです。
- テクスチャ:キャラクターや地面に貼る絵。VRAM使用量の大半を占めます
- 3Dモデル:形状のデータ
- フレームバッファ:いま描いている画面そのもの
- 中間データ:影・反射・被写界深度などの計算途中の情報
必要なデータがVRAMに収まっているあいだは、GPUは手元から取り出すだけで済みます。問題が起きるのは、収まりきらなくなったときです。
2.メモリ(RAM)との違い
パソコンのメモリとVRAMは名前が似ているため混同されますが、別の部品です。置かれるデータも、速度も違います。
| 項目 | メモリ | VRAM |
|---|---|---|
| 場所 | マザーボードのスロット | グラフィックボードの基板 |
| 使うのは | CPU | GPU |
| 規格 | DDR4 / DDR5 | GDDR6 / GDDR6X / GDDR7 |
| 帯域の目安 | 約90GB/s | 270〜450GB/s |
| 容量 | 16〜32GB | 6〜16GB |
| 増設 | できる | できない |
メモリの帯域はDDR5-5600をデュアルチャネルで使ったときの計算値(5,600×8バイト×2=89.6GB/s)。VRAMはGPUメーカーの公表値。
見ていただきたいのは帯域です。GPUは1秒間に何十回も画面を描き直すため、そのたびに大量のデータを読み書きします。この用途に耐えられるよう、VRAMにはメインメモリより3〜5倍速い規格が使われています。役割が分かれているので、メモリを32GBに増やしてもVRAM不足は解消しません。
3.VRAMを使っているのは、ほとんどがテクスチャ
「解像度を上げるとVRAMを使う」と言われますが、内訳を見ると印象が変わります。まず画面そのもの(フレームバッファ)の大きさを、1画素あたり4バイトとして計算します。
| 解像度 | 画素数 | 1枚あたり |
|---|---|---|
| フルHD(1920×1080) | 約207万 | 約8.3 MB |
| WQHD(2560×1440) | 約369万 | 約14.7 MB |
| 4K(3840×2160) | 約829万 | 約33 MB |
画素数 × 4バイトで計算した値です。
4KでもMB単位です。実際には影や反射用に同じようなバッファを何枚も持つため合計は数百MBになりますが、それでもGBには届きません。GB単位で消費しているのはテクスチャで、高画質設定では1枚が4K解像度のテクスチャが大量に読み込まれます。
VRAMが足りないとどうなる?
1.画質が落ちるか、引っかかる
VRAMが不足しても、ゲームが起動しなくなるわけではありません。次のような形で表れます。
| 症状 | 何が起きているか |
|---|---|
| テクスチャが粗いまま | 高解像度の絵を読み込めず、低解像度版が表示されている |
| 一瞬止まる | 必要なデータを遅い経路から取り直している |
| 場面の切り替わりで固まる | 大量のデータを入れ替えている |
| 設定を上げた途端に重くなる | その設定でVRAMの上限を超えた |
特徴的なのは、平均フレームレートがあまり落ちない点です。ほとんどのフレームは問題なく描けているため、ベンチマークの数字には表れにくく、それでいて体感は悪くなります。数字の上では出ているのに快適に感じない場合は、VRAMを疑う価値があります。
2.なぜ引っかかりが起きるのか
VRAMに収まらなかったデータは、メインメモリ側に置かれます。GPUはそれを使うたびに、PCI Expressという通り道を経由して取りに行きます。この回り道がどれだけ遅いのかを、帯域で比べます。
| 経路 | 帯域の目安 | VRAMとの比 |
|---|---|---|
| VRAM(RTX 3060) | 360 GB/s | 1 |
| メインメモリ(DDR5-5600×2ch) | 約90 GB/s | 約4分の1 |
| PCI Express 4.0 x16 | 約32 GB/s | 約11分の1 |
VRAMの帯域はNVIDIAの公表値、メインメモリとPCI Expressは規格上の計算値です。
GPUがメインメモリのデータを使うには、まずPCI Expressを通る必要があります。実質的な速さは約32GB/sで、VRAMの11分の1です。1秒間に60回画面を描いている最中にこの経路を使えば、その1フレームだけ間に合いません。これが「カクッ」の正体で、平均フレームレートが落ちにくいのも、データを取りに行った瞬間だけ落ちるためです。
3.足りないときに下げる設定
先ほど見たとおり、VRAMを使っている大半はテクスチャです。したがって不足しているときは、解像度を下げるよりテクスチャ品質を1段下げるほうが効果があります。見た目の劣化も、解像度を落とすより小さく済むことが多くあります。
レイトレーシングやフレーム生成を使っている場合は、それらをオフにする方法もあります。どちらも計算用のデータをVRAMに置くため、オフにすると使用量が下がります。
VRAM容量で誤解しやすいこと
1.容量が大きいほど高性能、ではない
VRAMの容量は「どれだけ置けるか」を表すもので、「どれだけ速く描けるか」とは別の指標です。描画の速さを決めるのは、GPUの処理性能とメモリ帯域になります。帯域は「バス幅 × メモリの速度」で決まります。
| GPU | VRAM | バス幅 | 帯域 |
|---|---|---|---|
| RTX 3060 | 12GB GDDR6 | 192bit | 360 GB/s |
| RTX 4060 | 8GB GDDR6 | 128bit | 272 GB/s |
| RTX 4060 Ti | 8 / 16GB GDDR6 | 128bit | 288 GB/s |
| RTX 5060 Ti | 8 / 16GB GDDR7 | 128bit | 448 GB/s |
NVIDIAの公表値より。
VRAM 12GBのRTX 3060は、8GBのRTX 4060より帯域も広くなっています。それでも描画性能はRTX 4060のほうが上です。またRTX 4060 Tiの8GB版と16GB版は、バス幅も帯域も同じで、違うのは容量だけになります。
当店が毎朝記録している中古相場でも同じことが確認できます。VRAM 12GBのRTX 3060が44,900円、8GBのRTX 5060 Tiが67,900円で、容量の少ないほうが2万円以上高くなっています。同じ8GBでも、GTX 1070は10,900円で6倍の開きがあります。
2.VRAMは後から増やせない
VRAMはグラフィックボードの基板に直接はんだ付けされており、スロットに挿して足す構造ではありません。8GBを16GBにしたい場合は、グラフィックボードごと買い替えることになります。
メモリやSSDは足りなくなったら足せますが、VRAMだけはそれができません。購入する時点で決まってしまう項目なので、長く使う予定があるなら少し余裕を持たせておくと安心です。
補足
内蔵グラフィックス(CPU内蔵GPU)の場合は、メインメモリの一部を映像用に間借りします。これは「専用VRAM」ではなく「共有メモリ」と呼ばれ、帯域はVRAMの4分の1程度にとどまります。
自分のPCのVRAMを確認する方法
Windowsであれば、追加のソフトを入れずに確認できます。方法は2つあります。
- タスクマネージャー:Ctrl + Shift + Esc →「パフォーマンス」→「GPU」。専用GPUメモリがVRAMの容量です
- dxdiag:Windowsキー + R →「dxdiag」と入力 →「ディスプレイ」タブ
足りているかどうかは、ゲームを起動した状態で2つの数字を並べて確認します。専用GPUメモリが上限に張り付き、同時に共有GPUメモリの使用量が増えていれば、メインメモリ側へはみ出している状態です。
なお、専用GPUメモリの使用量が多いこと自体は問題ではありません。ゲームによっては空いている分を確保しておく作りになっているため、上限近くまで使っていても足りていることがあります。判断の材料になるのは、共有GPUメモリが増えているかどうかです。
VRAMについてよくあるご質問
VRAMが多いとfpsは上がりますか?
足りている状態なら上がりません。fpsを決めるのはGPUの処理性能です。足りていない状態で増やした場合は、引っかかりが減って体感が良くなります。
共有GPUメモリが増えていますが、故障でしょうか?
故障ではありません。VRAMに収まらなかったデータがメインメモリ側に置かれている状態です。ゲーム中に常時増えているなら、画質設定を下げる余地があります。
メモリを増設すればVRAMも増えますか?
グラフィックボードを搭載している場合は増えません。VRAMはグラフィックボード側の容量で固定です。内蔵グラフィックスの場合は、メインメモリの一部を使うため割り当てが変わることがあります。
中古のグラフィックボードでも容量は同じですか?
同じ型番であれば容量も同じです。ただしRTX 4060 TiやRTX 5060 Tiのように、同じ型番で8GB版と16GB版が存在するモデルがあります。中古で購入する際は、型番だけでなく容量の表記もご確認ください。
まとめ:VRAMは購入時に決まる
- VRAMはグラフィックボード上の映像専用メモリで、帯域はメインメモリの3〜5倍
- 足りないとPCI Express経由の回り道になり、VRAMの11分の1の速さに落ちる
- VRAMを使う大半はテクスチャ。足りないときは解像度よりテクスチャ品質を下げるほうが効く
- 容量と帯域は別の指標。RTX 4060 Tiの8GBと16GBは帯域が同じで、違うのは容量だけ
- VRAMは後から増やせないため、購入時に決めておく必要がある
実際に何GB必要なのかは、別の記事にまとめています。
VRAM容量から選ぶ
当店で扱っているモデルの一例です。GPUの型番によって容量が決まります。
- VRAM 8GB:ゲーミングPC(AMD)/ Ryzen 7 5700X・RTX 5060 158,800円
- VRAM 12GB:ゲーミングPC(AMD)/ Ryzen 7 7700X・RTX 5070 279,800円
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