完全初心者ガイド CPUの性能の見かた

「コア数が多い」=ゲームに強い?

数字で比べる!CPUの性能どこを見て比べればいい?

ゲーミングPCを選ぶとき、グラボと並んで大切なのがCPUです。CPUのスペック表には「コア数」「スレッド数」「ブーストクロック」「L3キャッシュ」……と、たくさんの数字が並びますよね!

ところが、コア数が多いほど、上位モデルほど、ゲームに強いとは限らないのがCPUのおもしろいところ。ゲームでは、意外な数字が効いてきます。


ここでは、CPUの性能を比べるための指標をひとつずつ、実際のCPUの数値を並べながらご紹介します。

読み終わるころには、スペック表を見て「このCPUはゲーム向きか、作業向きか」がわかるようになるはずです! グラボについては「グラボの性能の見かた」で解説しています。

※このページの数値は、AMD・Intelの公式仕様と、公開されているベンチマーク(TechPowerUp のCPUレビューの相対性能)をもとにしています(2026年10月時点)。

目次

  1. 比べる順番は「実測 → 相対性能 → スペック表」
  2. CPUの名前の読み方
  3. スペック表の指標を1つずつ解説
    1. ①コア数・スレッド数
    2. ②クロック(ベース/ブースト)
    3. ③キャッシュ(L2/L3・3D V-Cache)
    4. ④世代(アーキテクチャ)
    5. ⑤消費電力と冷却
    6. ⑥ソケット・対応メモリ・PCIe
    7. ⑦内蔵グラフィックス
  4. ほんとうの速さを表す指標
  5. シリーズ(世代)ごとの変化
  6. 同じシリーズの中での違い(クラス)
  7. よくある勘違い「コア数が多いほどゲームに強い?」
  8. CPUを比べるときのチェックリスト

比べる順番は「実測 → 相対性能 → スペック表」

CPUの速さを比べる方法も、グラボと同じく大きく3つ。信頼できる順に並べると、こうなります。

いちばん確実① ゲームの実測fps

同じグラボ・同じ設定で、CPUだけを変えて測った結果。ゲーム用ならこれが答えです。

全体の目安② 相対性能・ベンチマーク

たくさんのゲームやアプリの平均、Cinebenchなどの点数。ゲーム向きか作業向きかがわかります。

理由がわかる③ スペック表

コア数やクロック、キャッシュなどの仕様。「なぜ速いのか」を知るための地図です。

CPUで特に大事なのは、「ゲームの速さ」と「作業(動画編集など)の速さ」は別物ということ。同じCPUでも、得意なことが違います。このページでも、ふたつを分けて見ていきます。

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CPUの名前の読み方

CPUの名前も、パーツに分けて読むとわかりやすくなります。

「AMD Ryzen 7 7800X3D」を分解すると…

Ryzenブランド
7クラス
(3/5/7/9)
7世代
(シリーズ)
800モデル
番号
X3D末尾
(特徴)

「Intel Core i7-14700K」「Core Ultra 7 265K」を分解すると…

Core i7ブランドと
クラス
14世代
700モデル
番号
K末尾
(特徴)

Intelは2024年の新シリーズから、名前が「Core Ultra 7 265K」の形に変わりました。「Ultra 7」がクラス、「2」が世代(シリーズ2)、「65」がモデル番号、「K」が末尾です。

末尾 意味 例
K(Intel) 性能が高く、設定で動作クロックを上げる(オーバークロック)こともできるモデル Core i7-14700K、Core Ultra 7 265K
F(Intel) 内蔵グラフィックスがなく、グラボが必要なモデル Core i5-14400F
KF(Intel) KとFの両方の特徴をもつモデル Core i7-14700KF
X3D(AMD) L3キャッシュを大きく増やした、ゲームに強いモデル Ryzen 7 9800X3D

ゲーム向きかどうかは「クラス」と「末尾」でかなり決まる

同じ世代なら、クラスが上(数字が大きい)ほど、コア数が増えて作業に強くなります。ゲームでは、AMDの「X3D」が特別に強いことが多いです。くわしくは「よくある勘違い」で比べます。

CPUの型番の読み方。Ryzen 7 7800X3Dはクラス7・世代7000シリーズ・末尾X3D、Core Ultra 7 265Kはクラス7・世代シリーズ2・末尾K
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スペック表の指標を1つずつ解説

ここからは、スペック表に並ぶ指標をひとつずつ見ていきます。それぞれ「ひとことで言うと何か」と、実際のCPUの数値の比較をセットにしました。

AMD RyzenIntel Core

①コア数・スレッド数

ひとことで言うと

CPUの中で仕事をする「作業員」の人数(コア数)と、同時にこなせる「仕事の数」(スレッド数)です。

コアが多いほど、たくさんの仕事を同時に進められます。動画の書き出しや、ゲームをしながらの配信など、重い作業を同時にするときに効いてくる数字です。Intelの最近のCPUは、力持ちの「Pコア」と、省エネの「Eコア」の2種類を組み合わせています。


実際のCPUで比べると

CPU コア/スレッド Pコア+Eコア
(Intel)
Ryzen 5 4500 6/12 —
Ryzen 7 5700X 8/16 —
Ryzen 7 9800X3D 8/16 —
Ryzen 9 9950X 16/32 —
Core i5-14400F 10/16 6+4
Core i7-14700K 20/28 8+12
Core Ultra 7 265K 20/20 8+12

コアが多い=ゲームが速い、ではない

たとえば、16コアのRyzen 9 9950Xと8コアのRyzen 7 9800X3Dでは、ゲームの相対性能(フルHD)は9950Xのほうが約11%低いです。20コアのCore i7-14700Kと8コアのRyzen 7 7800X3Dも、ゲームでは7800X3Dが約5%上。ところが作業アプリの相対性能では、14700Kが7800X3Dより約29%上になります。コア数は「作業の速さ」に効く数字で、ゲームの速さはほかの要素で決まることが多いのです。

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②クロック(ベース/ブースト)

ひとことで言うと

作業員ひとりひとりの「作業のスピード」です。単位はGHz(ギガヘルツ)。

普段の速さが「ベースクロック」、余裕があるときに一時的に上げる最高速が「ブーストクロック」です。ゲームは少数のコアに仕事が集中しやすいので、ブーストクロックの高さが効きやすい傾向があります。


実際のCPUで比べると

CPU ベースクロック 最大ブースト
Ryzen 5 4500 3.6 GHz 4.1 GHz
Ryzen 7 5700X 3.4 GHz 4.6 GHz
Ryzen 7 7800X3D 4.2 GHz 5 GHz
Ryzen 7 9800X3D 4.7 GHz 5.2 GHz
Core i5-14400F 2.5 GHz 4.7 GHz
Core i9-14900K 3.2 GHz 6 GHz
Core Ultra 9 285K 3.7 GHz 5.7 GHz

世代が違うと、同じGHzでも速さが違う

1回のクロックでこなせる仕事の量(IPC)は、世代ごとに増えています。クロックで比べてよいのは、同じ世代の中だけと覚えておきましょう。

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③キャッシュ(L2/L3・3D V-Cache)

ひとことで言うと

よく使うデータを手元に置いておく「作業台の引き出し」です。大きいほど、遠くのメモリまで取りに行く回数が減ります。

CPUのキャッシュには段階があり、スペック表でよく比べられるのはL3キャッシュです。ゲームは同じデータを何度も使うので、L3キャッシュが大きいとゲームのfpsが伸びやすいという特徴があります。


実際のCPUで比べると

L3キャッシュ(MB)

Ryzen 5 4500
8MB
Ryzen 7 5700X
32MB
Ryzen 7 5800X3D
96MB
Ryzen 7 9700X
32MB
Ryzen 7 9800X3D
96MB
Core i5-14400F
20MB
Core i7-14700K
33MB
Core Ultra 7 265K
30MB

ゲームでL3キャッシュがどれだけ効くかは、Ryzen 7 5700XとRyzen 7 5800X3Dを比べるとよくわかります。どちらも同じ世代(Zen 3)の8コアで、最大ブーストは5700Xのほうが少し高い(4.6GHz と 4.5GHz)くらいです。それでも、L3キャッシュが32MB → 96MBの5800X3Dは、ゲームの相対性能(フルHD)で約18%上です。


「X3D」は、キャッシュを上に積み重ねたCPU

AMDの「X3D」は、通常のL3キャッシュの上(または下)に、64MBのキャッシュを積み重ねた「3D V-Cache」を持つCPUです。AMDもゲーム向けのCPUとして位置づけています。最新のRyzen 7 9800X3D(第2世代)は、追加のキャッシュをコアの下側に置く設計になり、X3Dとして初めて設定でクロックを上げられるようになりました。

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④世代(アーキテクチャ)

ひとことで言うと

CPUの「設計図の新しさ」です。AMDなら「Zen 3」「Zen 4」「Zen 5」、Intelなら「Raptor Lake」「Arrow Lake」などの名前がついています。

新しい設計ほど、同じクロックでもこなせる仕事が増え(IPCの向上)、使えるメモリやPCIeも新しくなります。


実際のCPUで比べると

CPU 世代(設計) 製造 発売
Ryzen 5 4500 Zen 2 TSMC 7nm 2022年4月
Ryzen 7 5700X Zen 3 TSMC 7nm 2022年4月
Ryzen 7 7700X Zen 4 TSMC 5nm 2022年9月
Ryzen 7 9700X Zen 5 TSMC 4nm 2024年8月
Core i7-12700 Alder Lake Intel 7 2022年 第1四半期
Core i7-14700K Raptor Lake Refresh Intel 7 2023年 第4四半期
Core Ultra 7 265K Arrow Lake TSMC N3B 2024年 第4四半期

発売日が新しくても、設計が新しいとは限りません。たとえばRyzen 5 4500とRyzen 7 5700Xは、どちらも2022年4月の発売ですが、4500は1世代前のZen 2、5700XはZen 3です。L3キャッシュも8MBと32MB、PCIeも3.0と4.0で違います。比べるときは、発売日より「世代(設計)」の欄を見るのが確実です。

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⑤消費電力と冷却

ひとことで言うと

CPUが使う電気の量(W)の目安です。電気をたくさん使うCPUほど熱も多く出るので、しっかりしたCPUクーラーが必要になります。

AMDは「TDP」、Intelは「プロセッサー・ベース・パワー」と「最大ターボ・パワー」という書き方をしています。Intelの高性能モデルは、全力のときに最大ターボ・パワーまで電力が上がります。


実際のCPUで比べると

CPU TDP/基本電力 最大電力
(Intel)
Ryzen 5 4500 65 W —
Ryzen 7 5700X 65 W —
Ryzen 7 9800X3D 120 W —
Ryzen 9 9950X 170 W —
Core i5-14400F 65 W 148 W
Core i7-14700K 125 W 253 W
Core i9-14900K 125 W 253 W
Core Ultra 7 265K 125 W 250 W

同じくらいのゲーム性能でも、電力は大きく違うことがあります。たとえばRyzen 7 7800X3D(TDP 120W)とCore i9-14900K(最大電力 253W)は、ゲームの相対性能(フルHD)がほぼ同じくらいです(7800X3Dが約3%上)。電力が大きいCPUほど、大きなCPUクーラーや電源が必要になり、部屋も暑くなりやすくなります。

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⑥ソケット・対応メモリ・PCIe

ひとことで言うと

CPUをさすマザーボードの「差し込み口の形(ソケット)」と、一緒に使えるメモリ・グラボの規格です。

ソケットが合わないCPUとマザーボードは組み合わせられません。また、ソケットによって使えるメモリ(DDR4/DDR5)や、グラボとつなぐPCIeの世代が決まります。あとからCPUだけ交換したい人は、同じソケットで新しいCPUが出続けるかも大事なポイントです。


実際のCPUで比べると

CPU ソケット 対応メモリ PCIe
Ryzen 5 4500 AM4 DDR4-3200 PCIe 3.0
Ryzen 7 5700X AM4 DDR4-3200 PCIe 4.0
Ryzen 7 9800X3D AM5 DDR5-5600 PCIe 5.0
Core i5-14400F LGA1700 DDR5-4800/DDR4-3200 PCIe 5.0/4.0
Core i7-14700K LGA1700 DDR5-5600/DDR4-3200 PCIe 5.0/4.0
Core Ultra 7 265K LGA1851 DDR5-6400 PCIe 5.0/4.0

ざっくり分けると、AM4はDDR4、AM5はDDR5、LGA1700はDDR4とDDR5の両方(マザーボードによってどちらか)、LGA1851はDDR5です。PCIeも、Ryzen 5 4500は3.0、AM5やLGA1700・LGA1851のCPUは5.0に対応しています(マザーボード側も対応している必要があります)。

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⑦内蔵グラフィックス

ひとことで言うと

CPUの中に入っている「小さなグラボ」です。グラボがなくても画面を映せます。

ゲーミングPCはグラボで映像を出すので、内蔵グラフィックスはなくても困りません。ただ、グラボが故障したときに画面を映して原因を切り分けられるのは便利です。Intelの「F」付きモデルとAMDの一部のモデルには入っていません。


実際のCPUで比べると

CPU 内蔵グラフィックス
Ryzen 5 4500 なし
Ryzen 7 5700X なし
Ryzen 7 7800X3D AMD Radeon Graphics
Ryzen 7 9800X3D AMD Radeon Graphics
Core i5-14400F なし
Core i7-14700K Intel UHD Graphics 770
Core Ultra 7 265K Intel Graphics
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ほんとうの速さを表す指標

スペック表の次は、「実際にどれくらい速いか」を表す指標です。CPUのレビュー記事でよく見かけるものを紹介します。

指標 何がわかる? 見るときのコツ
ゲームのfps 同じグラボで、CPUだけを変えたときのfps CPUの差が出やすいフルHD・高fpsの結果を見る
1% Low いちばん遅かった1%の場面のfps。カクつきやすさがわかる CPUが追いつかないと、平均fpsより先にここが落ちる
Cinebench CGを描く速さを測るテスト。「マルチコア」と「シングルコア」の2つの点数がある マルチは作業の速さ、シングルは1コアの速さの目安
相対性能 たくさんのゲームやアプリの平均を、基準のCPU=100%として並べた表 「ゲーム」と「アプリ」で別の表になっていることが多い

CPUの差は「グラボが余裕のとき」に出る

ゲームのfpsは、CPUとグラボの遅いほうで決まります。高解像度(WQHD・4K)ではグラボが先に限界になるので、CPUを変えてもfpsはあまり変わりません。逆に、フルHDで高fpsを狙うときは、CPUの差がはっきり出ます。

実際に、RTX 4090を使ったテストでは、Ryzen 7 9800X3Dを100%としたときのRyzen 7 5700Xのゲーム性能が、フルHDでは72.1%、WQHDでは82.7%と、解像度が上がるほど差が縮まっています。

このページの比較グラフでは、たくさんのゲームの平均をとった「相対性能(ゲーム)」と、作業アプリの平均の「相対性能(アプリ)」を使っています。

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シリーズ(世代)ごとの変化

AMDのRyzenとIntelのCoreは、だいたい1〜2年ごとに新しいシリーズが登場しています。それぞれの世代で何が変わったのかを見ていきましょう。

Ryzen と Core の歩み

Ryzen 50002020年〜

設計はZen 3。ソケットはAM4で、メモリはDDR4。2022年には、キャッシュを積み重ねた初のX3D「Ryzen 7 5800X3D」が登場しました。

Ryzen 70002022年〜
  • 設計はZen 4。ソケットがAM5に変わり、メモリはDDR5、PCIe 5.0に対応
  • ほぼ全モデルに内蔵グラフィックスが入った
  • 2023年にRyzen 7 7800X3Dが登場
Ryzen 90002024年〜
  • 設計はZen 5。ソケットはAM5のまま
  • Ryzen 7 9800X3Dで、X3Dが第2世代に
Core 12〜14世代2021年〜
  • 12世代から、力持ちの「Pコア」と省エネの「Eコア」を組み合わせる方式に
  • ソケットはLGA1700。DDR4・DDR5の両方に対応(マザーボードによる)
  • 13・14世代の一部では、不安定になる不具合があり、BIOSの更新で対策されています
Core Ultra 200S2024年〜
  • 名前が「Core Ultra」に変わり、設計はArrow Lake
  • ソケットはLGA1851、メモリはDDR5のみ
  • 1つのコアで2つの仕事を同時にこなす仕組み(ハイパースレッディング)がなくなり、スレッド数=コア数に

同じ「Ryzen 7」で世代を比べると

CPU 世代(設計) コア/スレッド 最大ブースト L3キャッシュ ソケット 発売
Ryzen 7 5700X Zen 3 8/16 4.6 GHz 32 MB AM4 2022年4月
Ryzen 7 7700X Zen 4 8/16 5.4 GHz 32 MB AM5 2022年9月
Ryzen 7 9700X Zen 5 8/16 5.5 GHz 32 MB AM5 2024年8月

ゲームの相対性能・フルHD(Ryzen 7 5700X=100)

Ryzen 7 5700X
100
Ryzen 7 7700X
121
Ryzen 7 9700X
123

Ryzen 7 5700Xを100とすると、ゲームの相対性能(フルHD)は7700Xが約21%アップ、9700Xは7700Xからさらに約2%アップです。5000→7000の間は、設計とメモリ(DDR4→DDR5)が一度に変わったので大きく伸び、7000→9000は、ゲームでは小さな伸びにとどまっています。一方で9700XはTDPが105W → 65Wに下がり、同じくらいの速さを少ない電力で出せるようになりました。

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同じシリーズの中での違い(クラス)

次は、同じRyzen 9000シリーズの中で、クラスによってどれくらい違うのかを見てみます。ゲームと作業で、順番が入れかわるのがポイントです。

Ryzen 5 9600X 〜 Ryzen 9 9950X を並べると

CPU コア/スレッド 最大ブースト L3キャッシュ TDP/基本電力
Ryzen 5 9600X 6/12 5.4 GHz 32 MB 65 W
Ryzen 7 9700X 8/16 5.5 GHz 32 MB 65 W
Ryzen 7 9800X3D 8/16 5.2 GHz 96 MB 120 W
Ryzen 9 9950X 16/32 5.7 GHz 64 MB 170 W

ゲームの相対性能・フルHD(Ryzen 5 9600X=100)

Ryzen 5 9600X
100
Ryzen 7 9700X
100
Ryzen 7 9800X3D
113
Ryzen 9 9950X
101

アプリの相対性能(Ryzen 5 9600X=100)

Ryzen 5 9600X
100
Ryzen 7 9700X
113
Ryzen 7 9800X3D
120
Ryzen 9 9950X
151

ゲームでは、6コアの9600Xも16コアの9950Xもほぼ同じで、抜けて速いのはキャッシュの大きい9800X3Dだけです。ところが作業アプリでは、コア数どおりの順番になり、9950Xは9600Xより約51%上です。ゲームだけならクラスを上げてもあまり変わらず、作業をするならクラスが効く、というのがCPUの特徴です。


クラスごとの目安

クラス こんな人に(目安)
Ryzen 5・Core i5 ゲームを快適に遊びたい人。グラボにお金をかけたい人にも
Ryzen 7・Core i7 ゲームも配信も、余裕を持って楽しみたい人
X3D とにかくゲームのfpsを伸ばしたい人
Ryzen 9・Core i9 動画編集や3DCGなど、重い作業もこなしたい人
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よくある勘違い「コア数が多いほどゲームに強い?」

「コア数が多いCPUのほうがゲームも速い」「上位モデルほどゲームに強い」——こう思っている方は多いのですが、実はそうとは限りません。

ゲームの相対性能で並べると

ゲームの相対性能・フルHD(Ryzen 5 9600X=100)

Core Ultra 9 285K
99
Ryzen 5 9600X
100
Ryzen 7 9700X
100
Ryzen 9 9950X
101
Core i7-14700K
103
Core i9-14900K
105
Ryzen 7 7800X3D
108
Ryzen 7 9800X3D
113

グラフを見ると、コア数や上位・下位の順番とは関係なく並んでいるのがわかります。16コアのRyzen 9 9950Xは、6コアのRyzen 5 9600Xとほぼ同じ。ひとつ前の世代の8コア「Ryzen 7 7800X3D」は、24コアのCore i9-14900Kより約3%上です。ゲームのfpsを決めるのは、コア数よりも、キャッシュの大きさや設計の新しさのほうが大きいのです。


新しい世代・上位モデルでも、ゲームでは逆転することがある

新しいCore Ultra 9 285Kは、2024年11月の比較ではひとつ前のCore i9-14900Kより、ゲームの相対性能(フルHD)で約5%低いという結果でした。その後のアップデートで差は縮まり、2026年1月の別の比較ではほぼ同じ(285Kが85.1%、14900Kが85.7%)になっています。このように、新しい世代=ゲームで速い、とは限らず、時期によって結果が変わることもあるので、なるべく新しい実測を確認しましょう。

じゃあ、コア数の多いCPUを選ぶ意味は?

  • 動画編集・3DCG・配信が速い:たくさんのコアを使う作業では、コア数の多いCPUが大きく有利です。
  • ゲーム+配信・録画を同時にしても余裕がある:ゲーム以外の仕事を同時にこなせます。

選び方のコツ

ゲームが目的なら、コア数よりも「ゲームの実測fps」やL3キャッシュを優先。作業もしたいなら、コア数の多いクラスを選ぶ。そして、CPUにお金をかけすぎてグラボが弱くならないよう、CPUとグラボのバランスも大切です。

CPUマップ:ゲーム向き?作業向き?(Ryzen 7 9800X3D=100)

ゲーム向きどちらも強い作業向きゲームの性能(フルHD)→9800X3D7800X3D5800X3D9950X9700X9600X76005700Xi9-14900Ki7-14700KUltra 9 285KUltra 7 265KUltra 5 245Ki5-13400F
作業の性能(アプリ)→
AMDIntel

点線はRyzen 7 9800X3D(=100)の位置です。左上ほどゲーム向き、右下ほど作業向きのCPUです。数値は TechPowerUp のCPUレビューの相対性能(ゲームはフルHD)。

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CPUを比べるときのチェックリスト

最後に、CPUを比べるときに気をつけたいポイントをまとめます。

  • ゲーム用なら「ゲームの実測fps」を先に見る:コア数やCinebenchの点数より、ゲームの結果が確実です。
  • コア数・クロックは同じ世代の中で比べる:世代やメーカーが違うと、そのまま比べられません。
  • ゲームはL3キャッシュ、作業はコア数:得意なことが違います。
  • CPUとグラボのバランス:高解像度ではグラボ、フルHDの高fpsではCPUが効きます。どちらかにかたよらないように。
  • ソケットとメモリの規格を確認:マザーボードやメモリと合わないと使えません。
  • 消費電力に合ったCPUクーラー:電力の大きいCPUには、しっかりした冷却が必要です。
  • Intel 13・14世代はBIOSを最新に:一部のモデル(Core i7-13700K・14700K・i9-14900Kなど)で不安定になる不具合があり、Intelは対策済みのマイクロコード(0x12F以降)を含むBIOSへの更新を勧めています。保証も最長5年に延長されています。Core i5の無印(Kなし)モデルなどは対象外です。
  • 古めのCPUはWindows 11の対応も確認:Core i7-8700K(8世代)やRyzen 5 4500は、マイクロソフトのWindows 11対応CPUの一覧に入っています。それより古いCPUは一覧を確認しましょう。
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CPU選びに迷ったら、パソツクにご相談ください!

CPUの性能は、ひとつの数字では決まりません。「ゲームの速さ」と「作業の速さ」を分けて考え、実測で確かめる——この順番で見ると、CPU選びで迷いにくくなります。

パソツクでは、BTOゲーミングPCと中古ゲーミングPCの両方から選べます。どのCPUがいいか迷ったら、遊びたいゲームやご予算を教えてください。在庫の中からぴったりの1台をご提案します!

よくある質問

ゲーム用のCPUは、コア数がいくつあればいいですか?

コア数より、世代(設計)の新しさやL3キャッシュの大きさのほうがゲームには効きます。たとえば6コアのRyzen 5 9600Xと16コアのRyzen 9 9950Xは、ゲームの相対性能(フルHD)がほぼ同じです。配信や動画編集も同時にするなら、コア数の多いCPUが余裕を持てます。

X3DのCPUは何がいいのですか?

L3キャッシュを64MB積み重ねた「3D V-Cache」で、ゲームのfpsが伸びやすいのが特長です。Ryzen 7 9800X3Dは、比較したCPUの中でゲームの相対性能がいちばん高い結果でした(2024年11月・RTX 4090で計測)。

IntelとAMD、どちらがいいですか?

どちらにも得意なモデルがあるので、メーカーより目的で選ぶのがおすすめです。ゲームのfpsならAMDのX3D、動画編集など作業も重視するならコア数の多いCore Ultra 9やRyzen 9が、相対性能で上位に入っています。

CPUとグラボ、どちらにお金をかけるべきですか?

WQHDや4Kで遊ぶならグラボを優先しましょう。高解像度ではグラボが先に限界になり、CPUを変えてもfpsがあまり変わりません。フルHDで高いfpsを狙う場合は、CPUの差も出やすくなります。

【出典】AMD製品ページ(amd.com)、Intel ARK(intel.com)の各仕様/相対性能:TechPowerUp「AMD Ryzen 7 9800X3D Review」Relative Performance(2024年11月、RTX 4090・ゲームは1920×1080と2560×1440、アプリは平均。基準はRyzen 7 9800X3D)、TechPowerUp「AMD Ryzen 7 9850X3D Review」(2026年1月28日、RTX 5090)/3D V-Cache:AMD公式/Intel 13・14世代の不安定動作:Intel公式のお知らせ(マイクロコード0x12B・0x12F、保証延長)/Windows 11対応CPU:Microsoft公式一覧。相対性能はゲームの種類やBIOS・ドライバーで変わります。数値は2026年10月時点で確認したものです。